新潟県、妙高高原で「温泉ソムリエ」になる!

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「まーつもとー、まーつもとー」

スピーカーから女性駅員の声が響く。
列車が到着するごとに。


ひんやりとした空気の、朝の駅。
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へぇー、ここから上高地にいけるのか。

「あのー、すみません、妙高高原に行きたいんですけど。」

ねずみ色の制服を着た駅員さんは胸ポケットから蛇腹に地図畳みされた、線のいっぱい書かれたダイヤ接続表を取り出し、

「長野駅で、8番に乗り換えてください」

「そうですか、ありがとうございます。」



朝8時6分 松本発の長野行き鈍行列車に乗り込む。

景色はどんどん、秋の風情を増す。
田んぼの稲穂は黄金色に垂れ、停車駅ごとにドアから吹き込んでくる風はすこしキナ臭さにも似た初秋独特のものだ。

こんな田舎にもいまどきの化粧を施した女子学生たちが乗り込んできて、車内はぐっと華やかになり、20分ほどしてドドドッと降りていった。

通勤のおじ様たちは、松本近郊から、長野市へ通っているのだろう。
静まり返った田舎の列車は、およそ1時間ほどして長野駅に到着した。

「ながのー、ながのー」
今度は男性のアナウンスだ。

やっぱり松本駅の女声のほうが、風情があった。


ここ長野駅から、北上する鈍行列車に乗り換えだ。
これに乗って、妙高高原駅で降りればいい。

列車内は閑散としている。
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もう地元の人はマフラーをしている。
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少し勾配が出てきた。
畑には緑の茂る果樹が。

「あ!りんごだ!!」

木に生っているのが、みかんじゃない!

愛媛ではみかんの木しか見たことがないのだ。


緑の葉っぱと、赤い林檎のコントラストは本当に美しい。

そして空は、突き抜けるように青い。

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「つぎはー、姥捨(おばすて)-、姥捨ー。」

もしかして、昔話「姥捨て山」の現場だろうか。

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こんな田舎のさびしい村で、口減らしのために捨てられた老人たちの話が本当にあったとしたら、こんなに切ないことはない。

列車は姥捨で停車し、数分後、逆方向に進み始めた。
「スイッチバックかぁ!」


およそ50分後、「妙高高原駅」に到着した。
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あれ?ここは温泉地なのに、さびしい感じだなぁ。
降りた乗客は7人程度。

唯一の団体さん4人はタクシーに乗り、去っていった。

さて。

バスがあるはずなのだが・・・。
晴れ渡った空に、人影もまばらな駅前。
キョロキョロ。


あ、観光・バス案内所だ。

「すみません、”赤倉本通り(あかくらほんどおり)”行きのバスに乗りたいんですけど。」

「あ、はいはい。ええっと・・・11時半にあります。」


「11時半?・・・いま10時20分ですけど。。。」

「はい、あまり本数がないんですよ。タクシーで行くと2000円くらいですね。ご旅行ですか?」

「そうです。あのー、遠間旅館ていうところで、温泉ソムリエの研修があるんです。」

そう、今回の旅行は「温泉ソムリエ」になるためなのだ。


「あ、遠間さんね。じゃ、赤倉本通り、ですね。バスは11時30分発で、そこのバス停からです。」

「あのー、歩くとどれくらいです?」

「うーん、1時間くらいかかりますよ。上り坂ですしねぇ。」

「上り坂ですか!」

「うーん、そうだなぁー、どうしよう。

・・・歩いていきます!」



いままで散々世界を歩いてきたので、大丈夫でしょ!

案内所のお姉さんに、マップと帰りのバスの時刻表をもらい、さぁ、歩くぞ!


とりあえずおなかすいた。道すがらコンビニでもあれば。




・・・ない。



数百メートルのメインストリートを歩くが、地元御用達の電気店や雑貨店のみでコンビニはない。



空腹を抱えながら、涼しいけれど、太陽の日差しは暑い妙高高原を歩く。


すずしかったのに、汗がだらだら出てきた。

ヒッチしようかなー。でも、まだ体力はある。

高速のトラックなどがビュンビュン行きかう大きな国道に出た。
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道が大きければ大きいほど、歩いても歩いても先に進んだ気がしない。

荷物が肩に食い込む。


数十分歩くほどにバス停はあるけれど、バスは来ない。
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そしてまた小さな道に入る。勾配が増す。
妙高山のふもとだ。
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目指す赤倉温泉は、高台にある。

「あ゜ーぢんどいーーーー。」

ヒッチハイクを試みるが、停まってくれない。

さびしいなぁ。。。

あ、白樺だ!寒いところに来たんだなあぁ。。
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あまりにもさびしく、疲れたので、休憩。
汗だくだ。


遠く離れている友人にメールをして気を紛らわせる。
こんな愚痴を聞いてくれる友人は貴重だ。

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山はすっかり秋だ。

少し歩いて、休憩、これを繰り返して、およそ2時間後、めざす遠間旅館に着いた。

作務衣のご主人と女将さんが迎えてくれる。


料金を支払い、5階の部屋にチェックイン。

昼間っからいきなり布団が敷いてある。

きょうは温泉ソムリエの団体なので、忙しいからもう敷いてあるんだな。


部屋は4人の相部屋。私以外に新潟県三条市からの女性2人組と、新潟県糸魚川市からの熟年女性が一緒だ。


そして、午後、温泉ソムリエになるための座学が始まった。

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温泉ソムリエとは、温泉ライフをさらに楽しく、安全にするための提案をするアドバイザー。
日本が誇るすばらしい温泉を、自分自身もっと楽しみたいし、人にも勧めていきたい。


「みなさんのお部屋には、昼間っからお布団が敷いてあったでしょ?
あれは、入浴後、晩ご飯のまえには、30分は横になって休んでいただきたいからなんです。」


そうだったのかー。
「食後1時間30分してからお風呂に入り、2時間経つと眠くなるように出来てるんです。」


「かけ湯は体のためにとても大切です、20~30回はお湯をかけてくださいね」


温泉ソムリエの教授、遠間さんの一言一言が大変ためになるので、ノートに記入する手が休まらない。
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「飲む温泉と言うのは、つかるだけでは効果が無いんでしょうか?」

「温泉の乳化作用というのは石鹸と同じ、肌を溶かすということですが、温泉に入らずに石鹸で洗っただけでもいいのではないですか?」


浮かんだ疑問は、すぐに手を上げて質問する。
めったにない機会だもんね。


「温泉(お風呂でも)に入ると、とても体に負担がかかります。特に露天風呂に入るときは、頭にぬらしたタオルを載せて、ラジエーター(冷却器)にしてくださいね。」

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「では、これから、温泉入浴の最初にとてもいい、足湯に入ります。」

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ここの足湯は、北朝鮮から帰ってきた新潟県の蓮池薫さんが入浴し、日本での永住を決意した記念すべき場所なのだそうだ。

休火山である妙高山のふもと、このあたり一帯はむかし、女人禁制の霊山であったそうだ。
温泉もさらに山の上6キロから引っ張ってきている。
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なにか神聖なものに身を浸している気分になる。

豪雪地帯でもあって、10月末くらいから雪のシーズンが始まり、↓の看板の「赤」の文字くらいまで雪で埋もれるそうだ。
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遠間旅館も190年の歴史がある。
温泉ソムリエとして積極的に活動している遠間さんは、一旦東京に出て、経営コンサルタントをしていたが、帰郷し、地元の町おこしのために尽力している。
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そのあとは歩いて、源泉かけ流しの「滝の湯」へ。
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消しゴムのカスのような湯の花がフワフワ浮かぶ、名湯だ。

サービスショット?↓
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夜は大広間に集まり、参加者で夕食。
今回の参加者で一番遠くから来たのは、どうやら私のようだ。
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おいしい海の幸山の幸いっぱいの旅館の食事に舌鼓。。。
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夜は旅館の内湯で、同室の女の子とおしゃべり。



そして、静まり返った妙高の夜は更けていった。




明日は期待の湯めぐりだ!
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by kumaf3 | 2007-10-03 13:46 | 中部信越大阪東京行脚  

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