ベネズエラへ
ない。
なかなか眠れないなぁ。
といいつつも、3回くらいは眠ったかな。
夜行バスは翌朝10時、国境のククタという町に到着。
そこから路線バスで中央ターミナルへ。
そこから乗り合いタクシーで国境へ。イミグレーションでスタンプをもらうため
にタクシーを降りる。
あぢー!
ここは今までの街と違って、赤道近くの熱帯性気候。動くと汗をかく。
重いリュックをしょってるので、汗びっしょり。
熱いところは苦手だよぉ。
ここの国境は、人も車も自由に行き来できる。
ただ、スタンプを押してもらわないと、密出国、密入国になってしまう。
イミグレで日本国のパスポートを見せると「ちょっと待て」。
10分ほど待たされたが、出国スタンプOK!
荷物検査などもまったくない。
ちなみに、この国境の荷物検査は時折厳しいと聞いていたので、靴の中にお金を
隠していたのだ。
5億円ほど。
厚底靴になってしまって、
身長が3m20cm
ほどになっている。
歩いて橋の国境を越える。ベネズエラ側に入って20分ほど歩くと街の中にイミ
グレーションオフィスがあって、ここでスタンプをもらう。
しかし、「世界3大危険国のひとつ、ベネズエラ」という先入観も手伝って、見
る人見る人、ぜんぶ極悪殺人犯にみえる。
街の一角にあるイミグレーションオフィス。
ここでも、荷物検査やワイロの要求などまったく無く、すんなりOK.
さて、私たちはコロンビアペソを20000ペソ(900円くらい)ほど持って
いたので、これをベネズエラボリーバルに換えなければ。
でも、国境を越えてしまったので、率がとてもよくない。
「どうする?コロンビアのほうが換金率いいけど。」
「わたしは、もういいです。」
もうお昼も過ぎていたので、時間と労力がもったいないと思ったのだ。
「おれ、ちょっとコロンビアまで行ってくるわ。4,50分かかるけど。ここで
待ってて。」
あらー。元気だわー。
待っている間、あまりにも暑いので、荷物のカサを減らすために2枚、重ね履き
していたズボンを一枚脱ぐ。
イミグレでズボンを脱ぐのは初めてだ。
およそ50分後、ひょうひょうとGさんは帰ってきた。
「コロンビアのほうが率が良かった。ドルも一ドル当たり3300ボリーバルが
最高だった。」
ほほーう。そうですか。どうもありがとう!
ベネズエラは公定レートが一ドル当たり2500ボリほどだが、闇レートは33
00ボリくらい。かなりお得なのだ。
で、またまたバスに乗って、1時間少々。サンクリストバルという街へ。そこか
らまた5時間、目指す町メリダへむかう。
もう3時過ぎているので、到着は夜9時ころになりそうだ。
ベネズエラに入ってから気付いたことだが、なんだか接する人に笑顔が無い。
フ
レンドリーさも感じない。
この国には悲しい歴史があるのかなぁ。
今夜調べてみよう。
ゴーゴー眠って、夜九時ころ。メリダの街へ着いた。
ボゴタを出てから乗り換え5回、26時間かかった。
安宿にチェックイン。とても清潔で気に入った。
早速スイス人の旅人と、ここの農業プロジェクトに参加して英語を教えていると
言うフランス人に出会う。
あす、スイス人とその仲間で、世界最長のロープウェイに行くことにした。
そんでもって翌日ー。
スイス人が起こしに来てくれたのを合図に、7時過ぎ、近所にあるロープウェイ
乗り場へ。
しかし、もう早速、行列ができている。出遅れたか。
限定150人で、ぎりぎりその中には入ることができた。
しかし、乗るのはお昼くらいになってしまった。
ロープウェイを待つ間に出かけた市場。
帰りの市内バス。運転手さんはつるつるだが、頭上にある髪止めコレクションは何のためだろう。
午後からは天気が悪くなるから、早起きしたのになぁ。
ロープウェイの待ち時間。流しのギター婦人と、コラボするタンザニア人。
待ちに待ったロープウェイ。
あ、その前に。
わたしは特にロープウェイに関心があるわけではまったく無く。
ただ単に、世界最長、最大の標高差を行くロープウェイのパトロールに来たので
ある。
安全に運行されているのか、危険な箇所は無いのか。人員は正しく配置されてい
るのか。
その件に関して、世界から呼び寄せた覆面パトロール隊とともに、チェックする
のである。
一ッ目の駅から見たメリダの街
ちなみに本日世界から集合した面々は、
日本代表、クマ巡査と麻薬捜査犬G、スイス人、メキシコ人、アフリカのタンザニアから、という
テンでバラバラな面々で
ある。
ロープウェイは頂上まで4本のりつぐ。
クマ巡査は1本目、高台から見下ろすメリダの町と、偶然乗り合わせたカワイ子
ちゃんにくぎづけ。
か、カワイイ・・・。
彼女もクマ巡査に関心があるらしく、目が会うとニコッと微笑む。何度もだ。
か、カワイイ・・・。
途中のロープウェイ乗り場で、かわいい彼女はクマ巡査に抱きついてきた。
か、カワイ過ぎる・・・
おじさん、誘拐しちゃうぞー。
どうもこれは両思いだなぁ。
わたしは自分から子供にちょっかいを出すほうではなく、どちらかというと苦手
なので、遠くから見るだけなのだ。
それは小学生の初恋のような感じだ。
それはさて置き。
もともと関心が無いロープウェイ。
2本も乗れば、もう満足。
3本も4本も乗らんでもいい、ワシは。
(ちなみに、帰りの便も含めると
1日で8本のロープウェイに乗ることになる)
あーあ、飽きちゃったなぁ。(全世界のロープウェイ友の会を敵に回す)
だって、一本乗るのに2、30分待つんだもん。
そして、標高が高くなるにつれてどんどん寒くなった。
ちなみに厚いジャケットなど持ってない私は、防寒のために「寝袋」を持参。
ショールにして寒さをしのぐ。
もう、標高3000mを越えており、ロープウェイも佳境!雲の中に入っていく。
そして頂上!
さすがキリスト教、ここにもマリア様が・・・。
一緒に上った面々と写真を撮ろうとしていると、さっきのかわいい少女が私の隣
に来て、「チュウ!」
きゃー!どうしよう!
オバサン感激!
頂上のパトロールを30秒で終了したクマ巡査は、突然眠気に襲われる
そう、寒いところで眠ってしまえば、一巻の終わり。
クマ巡査、パトロールを終了したとたん、激務に殉死! (カッコイイ)
ゴゴゴゴー!!!
「クマ巡査、降りますよ。」
フガ?あ、ロープウェイがいっちゃう!早く走らねば!ぜえぜえ!
寝起きで、いや、雪山で殉死の状態から生還し、全速力で走ったせいか、気分が
悪い。クマ巡査、酸欠か!?
ロープウェイの中の緊急酸素補給装置で、酸素を吸うのだ!
スーハースーハ。
身をもって瀕死を体験し、生還すると言う、皆の模範となる行動を執行したクマ
巡査。
この功績が認められ、巡査長になる日も近いと思われる。
さて、朝からなんだかんだとつまみ食いしたせいで、気分が悪いほどだったわた
しだが、スイス人隊員が「わしめっちゃお腹空いたわー、近所にすげえうまいイ
タメシ屋があるから、すぐ行こう、今から行こう、絶対行こう」というので、つ
いていく。
ここで、首脳会談だ。
私はスイス人が昨夜も食べて、今日も注文するほどうまいというラザニアを注文
。
Gさんは、スパゲッティカルボナーラを。
スイス人とタンザニア人は、スイスのすばらしい民主主義について、タンザニア
のこれからについて、熱く語り合う。
注文してから30分は語り合っている。
やっと注文したラザニアがきたので食べてみた。
これ?うまいか?
しょっぱいだけじゃん。
Gさん、カルボナーラ、うまい?ちょっと食べさせて。
これ、うまい?
「ぜんぜんうまくねぇ。」
「・・・だよね・・・。」
日本人以外、絶賛のうまさ のようである。
たぶん、日本人の注文したものにだけ、塩が大量に入っていたり、今日入った新
米見習いシェフが作ったもの、だったのだろう。
「めっちゃうまいだろ。明日も来ようぜ。」豪快なスイス人。
絶対来ません。
日本の食べ物がうますぎるのか、彼らの舌がどうかしているのか・・・食文化の
違い?
さて、夜は口なおしにインスタントラーメンでも作るか。
と言うことでスーパーを探しに。
でも、私たちにはまだ大きな任務が残されていた。
それは、ギネスブックに載った、
800種類のアイスクリームをつくるアイス屋さんパトロール!
これまでのメニュー
そう、ここメリダに存在するのです。
さーて、メニューを見てみると。
ぶどう、アボカド、チョコレート、コカコーラ、モモ、ココナツ、米・・・うま
そうなのはもちろん、味の想像できそうに無いものも。
ツナ、ハンバーガー、肉、チーズ入りスパゲッティ、鮭、イカ・・・。
クマ巡査とG警察犬は、皆さんの期待通り、ゲテモノ食いを実行。
お互いに、食べさせたいものを2つ選んで注文(1ドル)。
世界各国でばったり出会い、ボゴタからここまで、苦労を共にしてきた2人。
普段からお互いをどんな風に思いやっているかがわかる、というものだ。
「クマさんはい、これ。」
ありがとーう、ペロ。
うわー、なんじゃこれ。マズー!!
G麻薬捜査犬がクマ巡査に選んだのは・・ ・
ハンバーガーとイカ。
Gさん、ハイこれ。
「うわぁ、激マズじゃん!もう食えねえ!!」
クマ巡査が麻薬捜査犬Gに選んだのは・・・
肉とツナ。
ちなみに味の感想は・・・。
イカ・・・魚市場のにおいと味がする。。イカ粒入り。
ハンバーガー・・・粒入り。不味い。
肉・・・まぁまあいけるじゃん。おいしくはないけど、食べられる。
ツナ・・・まずいけど、食べられる。。。
クマ巡査が手にしたハンバーガーとイカは、おそらく、この店でも3本の指に入
るマズさであろう。
麻薬捜査犬Gはお店を出るなり「あー気分悪・・・」「おえええ!」「ラーメンで
口直ししたい」
マズいものは期待通りマズく、おいしいものはたぶんおいしいギネスのアイス屋
さん、安全パトロールも完了しておりますので、お近くをお通りの際 は是非。
お店を出て、暗くなった道を帰ろうとうろうろしていると、目の前に突然、背の
低い物体が立った。
ん?なに?女の子?
暗いけど・・・マリア?
「ニコッ!」
昼間のロープウェイで一緒だった女の子、マリアだ。
きゃー!また彼女をひしと抱きしめる。
家族と一緒の彼女と写真を撮って別れた。
やっぱり、彼女とは両思いだったのだ。
by kumaf3 | 2007-04-22 10:20 | 南米編